新田次郎「八甲田山死の彷徨」

八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)
一気読みした本は久しぶりです。というわけでISBN画像も大きく。今まで新田次郎さんの本を読んでなかったのは不覚でした。こうした小説をノンフィクションとは言わないのかもしれませんが、臨場感あふれる描写がこの事件を余すところなく伝えてくれます。長めのエピローグのたんたんとした事実がまた悲しみを誘います。解説に紹介されている「世間ではよく明治というとよかった時代のように言うひとがあるが、私の印象では少しもよくはなかった、それは暗い時代だった」という話も印象に残りました。