ヘミングウェイ「日はまた昇る」

日はまた昇る (新潮文庫)
実は岩波版で読んだんですけど、新訳が出ているようなので新潮版の文庫本を紹介します。この本は出版当時大変な話題を呼んだようで、ロストジェネレーションと呼ばれた世代の生き方がこのように描かれることもそれまではなかったようです。酒と女などの享楽に浮かれた自堕落な生き方はいつの世の中でもある種の憧れです。この本では会話の応酬の場面よりもジェイクが一人で思索するところ、旅の風景や魚釣りなどの自然描写、闘牛の祭りに沸く町の様子の描き方がお気に入りです。あとユダヤ人をからかう会話などがこの小説を含め海外の作品によく出てくるんですけど、その心理がいまいちわからないんですよね。謎です。