村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」

ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫) ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫)
羊その他のつながりがあるので前作?をあらかじめ読んでないとつらいかなと思いましたが、実際はそんなことはなかったです。村上春樹の小説に惹かれる理由として、本のあらすじ内容はもちろんですが、会話のセンスや舞台設定が素晴らしいこともはずせません。ぱっと開いたページに載っている洒落た会話で楽しめるなんてことも。本作も例外ではありません。
主人公は孤独感を漂わせるハードボイルドものに出てきそうな男。職業は自由業。離婚歴はあるが一人で何でもできてしまうし、生活に不自由はしていない。もちろん女にも不自由はしない。一見風采はあがらなそうだが、セックスが強いときてる。聴く音楽はもっぱら海外のポップス、ロック、ジャズだが批評も容赦ない。
これで嫌みにならないのが村上春樹作品のすごいところ。登場人物の風俗習慣が日本人離れしているところが、日本人にもうけるし、海外の人にも受け入れられやすい理由なのかも。