雫井脩介「火の粉」

火の粉 (幻冬舎文庫)
被害者の家族の執念が実るのか、あるいは彼らの怨恨、妄想なのか。やけに鋭い推理や昔の友人の登場などで都合がよすぎるところもありますが、一気に読ませるところはさすがです。老人介護や幼児虐待などもからめて各人の本音や心理が明らかにされていくさまは怖いところ。年末のミステリーランキングでこの作者も大きく取り上げられたためか、近所の図書館でも最近は貸し出し中が続いています。