向田邦子「思い出トランプ」
思い出トランプ (新潮文庫)
思い出したくもない過去。向き合いたくない現実。それでも決して忘れ去ることはできないし、ふとしたことでよみがえってくる感覚(何ともイヤな気分になる)というのは誰でも持っていると思います。そんな情景がこれでもかと展開する短編の連続にただただ感嘆。
F1大混乱
アメリカGPの茶番劇には世界中で怨嗟の声が上がっています。これだけの失態を犯して誰も責任をとらないとしたらF1の権威も確実に失われていくのでは。それにしてもFIAという組織はどこまでも強気ですね。今回もミシュラン勢のチームが早々に謝罪声明を出す中、FIAには責任はないとの一点張り。BARホンダの失格問題やヨーロッパGPでのライコネンのクラッシュにしても、あくまでルールに問題はなく責任はチームにあるとの姿勢を崩していません。
以下はよく知るためのメモとして。
FIA http://en.wikipedia.org/wiki/FIA
Max Mosley http://en.wikipedia.org/wiki/Max_Mosley
Bernie Ecclestone http://en.wikipedia.org/wiki/Bernie_Ecclestone
村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」
羊その他のつながりがあるので前作?をあらかじめ読んでないとつらいかなと思いましたが、実際はそんなことはなかったです。村上春樹の小説に惹かれる理由として、本のあらすじ内容はもちろんですが、会話のセンスや舞台設定が素晴らしいこともはずせません。ぱっと開いたページに載っている洒落た会話で楽しめるなんてことも。本作も例外ではありません。
主人公は孤独感を漂わせるハードボイルドものに出てきそうな男。職業は自由業。離婚歴はあるが一人で何でもできてしまうし、生活に不自由はしていない。もちろん女にも不自由はしない。一見風采はあがらなそうだが、セックスが強いときてる。聴く音楽はもっぱら海外のポップス、ロック、ジャズだが批評も容赦ない。
これで嫌みにならないのが村上春樹作品のすごいところ。登場人物の風俗習慣が日本人離れしているところが、日本人にもうけるし、海外の人にも受け入れられやすい理由なのかも。