向田邦子「思い出トランプ」

思い出トランプ (新潮文庫)
思い出したくもない過去。向き合いたくない現実。それでも決して忘れ去ることはできないし、ふとしたことでよみがえってくる感覚(何ともイヤな気分になる)というのは誰でも持っていると思います。そんな情景がこれでもかと展開する短編の連続にただただ感嘆。

村上春樹「羊をめぐる冒険」

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫) 羊をめぐる冒険(下) (講談社文庫)
何かを失っていく感覚というのが村上春樹作品によく見られるテーマだと思いますが、どの作品でも主人公のパラノイア的物語に終わらないのは、脇役の実在感に重みがあることや現実の社会情勢を無視していないことが理由かな。リアリティと幻想のバランスが絶妙で肩肘張らずに読めるのがイイ!

F1大混乱

アメリカGPの茶番劇には世界中で怨嗟の声が上がっています。これだけの失態を犯して誰も責任をとらないとしたらF1の権威も確実に失われていくのでは。それにしてもFIAという組織はどこまでも強気ですね。今回もミシュラン勢のチームが早々に謝罪声明を出す中、FIAには責任はないとの一点張り。BARホンダの失格問題やヨーロッパGPでのライコネンのクラッシュにしても、あくまでルールに問題はなく責任はチームにあるとの姿勢を崩していません。
以下はよく知るためのメモとして。
FIA http://en.wikipedia.org/wiki/FIA
Max Mosley http://en.wikipedia.org/wiki/Max_Mosley
Bernie Ecclestone http://en.wikipedia.org/wiki/Bernie_Ecclestone

新しい書き込み

はてなダイアリーの設定をまた一つ学習。

■新しい書き込み
携帯からメールで更新する時、新しい書き込みが上に追加されていくか、下に追加されていくかを決めます。
ウェブで編集するときは、編集画面で自由な方向に追加できるので基本的には関係ないです。

複数の記事を投稿するときは編集画面にすでに表示されている記事を削除してはダメなのですね。自動的に上に追加されたり下に追加されるわけでもなく、編集画面上の状態でアップされるわけです。

村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」

ダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫) ダンス・ダンス・ダンス〈下〉 (講談社文庫)
羊その他のつながりがあるので前作?をあらかじめ読んでないとつらいかなと思いましたが、実際はそんなことはなかったです。村上春樹の小説に惹かれる理由として、本のあらすじ内容はもちろんですが、会話のセンスや舞台設定が素晴らしいこともはずせません。ぱっと開いたページに載っている洒落た会話で楽しめるなんてことも。本作も例外ではありません。
主人公は孤独感を漂わせるハードボイルドものに出てきそうな男。職業は自由業。離婚歴はあるが一人で何でもできてしまうし、生活に不自由はしていない。もちろん女にも不自由はしない。一見風采はあがらなそうだが、セックスが強いときてる。聴く音楽はもっぱら海外のポップス、ロック、ジャズだが批評も容赦ない。
これで嫌みにならないのが村上春樹作品のすごいところ。登場人物の風俗習慣が日本人離れしているところが、日本人にもうけるし、海外の人にも受け入れられやすい理由なのかも。